- 合格者の職業別では不動産業界が最も多く、他には建設業界、金融業界、一般企業、学生、主婦などとなっている。企業では不動産業界を中心に宅建資格取得者に対して資格手当が1~3万円程度支給されるケースが多い。近年では、不動産会社に勤務する取引主任者が、不動産購入を希望する顧客への資金計画のアドバイスに必要な、税金・住宅ローン・損害保険などのマネー知識の習得のために、FP資格を併せ持つケースも増えてきている。
- 宅建は知名度が高く受験者が多い人気資格ということに加え、受験要件が年齢学歴等一切不問で、本試験の出題形式がマークシート4択という受験しやすさなどの理由から、「難易度が低めで初学者でも比較的合格しやすい」というような印象を持たれがちで、そのせいか独学で挑戦する受験者が多く見受けられるが、しかしながら合格率は毎年約15%前後で推移しており、合格に必要な標準学習時間は約300時間前後というのが通説で、実際の難易度は想像以上に難関である。試験に何度挑戦しても不合格で結局あきらめてしまう多年受験者も多い。確かにかつての宅建は比較的取得しやすい資格だったが、1980年代後半バブル期の地価高騰による不動産業界の好況に加え、それまでの宅地建物取引業者の従業員10人につき1人以上の割合での取引主任者の設置義務が、昭和63年の宅建業法改正で従業員5人につき1人以上へと強化され取引主任者の需要が高まったことなどから受験者が殺到し、試験の難易度は急激に上昇し現在へ至った。バブル崩壊後の地価暴落で一時期減少した受験者数が昨今の景気回復に連動して再び増加傾向にあること、宅建業界従事者で登録講習を受講した5問免除者の増加、民法に見られる問題の長文化等の種々の要因で試験は年々難化傾向にある。現在の宅建のレベルでは独学での受験はかなりの努力を要するので、初学者からの一発合格を目指すならば資格学校の通学講座を利用して春から6ヶ月程度の学習が有効である。
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